時をかける少女/筒井康隆

フジテレビにて。これは面白い。筒井康隆の作品としては、ジュブナイル向けの珍しい作品だけどプロットが良く練ってあり、最後には爽やかなカタルシスがあって気持ち良い。
映画はプロットを理詰めで作るとしばしばうんちく映画になってつまらなくなる。かといってストーリーのみに力を入れると監督の自己満足映画になってしまう。
この映画は(というか筒井康隆は)プロットとストーリーの兼ね合いがうまい。細かい説明や辻褄あわせの削ぎ方が上手だなって思った。それができてる作品は大抵面白い。ラッキーナンバー7もそういう作品だった。(具体的に言うと千昭はタイムリープの種を落とす前に戻れよ、なんて野暮なことも言えるけどそこを言及する気にはならないし本質はそこではない)
また小ネタとして昔の実写版時をかける少女の主人公の芳山和子が、図書館の職員として出てくるのも面白い。軽いミスリードでもある。
夏を描いた映画は好き。高校の頃、お金がなくて何もすることがなかった。川の終わり、海に交わる河口でただただ喋った。あの頃を少し思い出して切なくなった。おすすめ。