Before Sunset(2004)、before sunrise(1995)を観て

前作before sunrise(1995)
ユーロトレインの車内で出会ったアメリカ人青年ジェシーとフランス人のセリーヌ。気の合った二人は途中下車してウィーンの街を歩く。歩きながら会話することが映画のストーリーという変わった映画。一夜を共に過ごして、アメリカへ帰国する男と、フランス住まいの女はbeforesunrise(日の出前)に別れなければならなかった。メールを数回やり取りするも、いつのまにか音信不通というありがちな終末が嫌だという二人は、住所や連絡先の交換をしなかった。その代わり二人は別れの際に「六ヶ月後に同じ場所で再開しよう」という約束をする。
Before Sunset(2004)
それから9年後が過ぎた。男は結婚しニューヨークに住んでいる。彼は小説家であり、9年前の出来事を本に書いている。そしてほんの販売プロポーションのためパリに行き、サイン会を兼ねた本の紹介イベントを催していた。紹介イベントが終わったあと、部屋の隅を見ると一人の女性がいた。その女性は9年前に出会ったあのセリーヌだった。
二人はパリの街を歩く。まず話すことはあれから半年後にどうして会えなかったのか。お互い弁解に必死になり緊張しているものの、すぐに9年前と同じように心を通わせていく。今回もアメリカ行きの飛行機が発つまで、beforesunsetまでの少ない時間の中で積もり積もったお互いのことを話し合う。思い出、約束、哲学、宗教、性、男女、生活、苛立ち、失望。いままで経験してきたものすべてをぶつけあう。そして、交わることがなかった二人の関係へ話は及んでいく。
二人とも相手の事を忘れずに生きていて、なぜあの時連絡先を交換しなかったのか、あの頃ちゃんと付き合えていれば人生は確実に変わっていたはずなどと過去に思いを馳せる。 実際にあの時会っていたからといって、その後ケンカをしていたかもしれないし続いていたとも限らない。 そんな過去の思い出や現在の悩みなどをとめどなく続けるうちに、別れの時刻が近づいてくる。結局、最後の別れのシーンがあるわけではないので、その後二人はどうなったのか、過去の大切な思い出として一度きりの再会で終わるのか、この再会を機に頻繁に会うようになるのか、それは分からない。

ただ、会話するだけの映画。それだけなんだけど、一言ひとことが深く心に突き刺さる。

“Memory is a wonderful thing, if you don't have to deal with the past.”
「過去と向き合わなくてもいいなら想い出は素晴しい。」

however

”I guess a memory's never finished as long as you're alive"
「生きている限り思い出は変えられる」

好きな映画Top3に入る映画になりました。おすすめ。

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