愛を読むひと/スティーヴン・ダルドリー

主人公は15歳のときに36歳の女性と知り合い、ひと夏のあいだだけ男女の関係になる。しかし女性は突然姿を消してしまい、関係はそこで終わってしまう。主人公は途方に暮れ、以後他人を無条件に愛することができなくなってしまう。
大人になり結婚をしても主人公の冷淡さから破綻してしまい、娘からも嫌われていると思われていた。他の人に15歳の時に持っていた人を愛する気持ちの残滓を求めようとするけれどもどこにもなく、ただただかつて自分に内在した愛情の喪失に直面してしまう。
後におもいがけないかたちで、主人公は女性と再会する。彼女にこそ、人を愛することの本質、その答えがあると思い彼女とのコミュニケーションを取り戻そうとする。けれど決して彼はその女性をかつてのように愛しているわけではないことがわかってしまう。15歳の経験がすべてを変え、人を愛するための能力がなくなった現実に直面し、泣く。
ラストシーン、ユダヤ人の女性との会話によって少しだけ光が見える。愛した女性のメッセージを受け取ってもらい、理解と赦しを得る。
人生って難しいね。