マリー・アントワネットを見て

yurara19862007-02-22

三宮、神戸ミントにて。「ロスト・イン・トランスレーション」のソフィア・コッポラの新作。女優はスパイダーマンシリーズのキルスティン・ダンスト。遅ればせながら見てきました。
内容は「恋した、朝まで遊んだ。全世界に見つめられながら」という端書どおりでした。マリー・アントワネットの史実を描いたというより、女の子の甘ずっぱい青春時代を描いた作品でした。ただマリー・アントワネットが他の女の子と違うのはお金を持っていることだけ。ルイ16世との性に悩んだり、キュートなドレスで着飾ったり、甘い色々のスイーツを食べたり、鮮やかなシューズを履いたり、若い格好の良いフォン・フェルセン伯爵と不倫したり、ギャンブルに朝まで興じたり。今の女の子と変わらない姿を描いています。
シークエンスごとに衣装が変わり目にも楽しいのだけど、ただ裏を返すと物語としては脆弱と言われても仕方ないと感じました。場面の繋がりに意味を感じなかった。例えばフォン・フェルセン伯爵との不倫は、話の流れとしてあっても無くても同じだと感じた。映画である限りは、話は一貫した違和感ない流れが欲しかった。でもそれでも良いと思ったのは、ベルサイユ宮殿は息を呑むほど美しいし夫人達は小悪魔のように可愛い。それだけで十代後半の馬鹿騒ぎの、なにか熱っぽいものを感じて私は満足しました。
マリーのお付きのノアイユ伯爵夫人の"This, marie, is Versailles."というセリフはこの映画やベルサイユそのものを語っているように思いました。面白い映画でした。