[映画]フィクサー/ジョージ・クルーニー

三宮にて。面白い。ただデートで見る映画ではないですね、お隣りは眠たそうにしていました。もみ消し屋(Fixer)として企業の裏事情を処理する男(ジョージ・クルーニー)は大企業の処理に当たるのだが、次第に彼の手に負える問題ではなくなっていく。
最近では船場吉兆の食べ残しを流用していたことが挙げられるように、企業倫理は一般世間の倫理を簡単に越えていく。むしろそのような汚いところを平然とやってのけることが評価される、ということはままある。劇中でティルダ・スゥイントンが演じる女性は企業のスキャンダルを露見させないために殺人まで犯してしまう。彼女を殺人に駆り立てたのは狂気ではなくむしろ真面目さであって、企業と言うハコモノを介して倫理を超えてしまう。わかるな、そういうの。程度の差はあれ世間では良くあることだと思う。昨今コンプライアンスがとり正されたのもその防止策だろう。
映画に出てくる人物は主人公を含めてみんなどこか駄目な奴である。駄目な奴らが理路整然とした法律に取り巻いていて、駄目の繰り返しに主人公は頭にきてしまい復讐にうってでる。その瞬間にカタルシスがあって爽快だった。おすすめ。